外部記憶装置

増田貴久くんについていろいろ考えたり思ったり忘れたくなかったりすることを書いておくとこです。

ハウ・トゥー・サクシード(再演) 12月7日 東京千秋楽

千秋楽。

私はこれで6回目の観劇です。お席は2階前方の少し上手寄り。

この千秋楽の3日前に3階席後方に入ってました。たった3日前に見たのに、また少しフィンチの演技が変化、というか深化しているような気が。セリフまわしがキッパリはっきりしていたり、あえて抑揚がない箇所があったり。より人間的な深みが出てる、というんでしょうか。

口紅が2種類ついてるとローズマリーに言われた時の反応は公演前半戦と比べるとどんどん「男」っぽい気がするし。あわてたように取り繕うのではなく相手に合わせた媚びがゼロレベルになり、それまで高揚していた声のトーンが低く小さくなり、バツの悪そうな表情。

I Believe in Youだったかな。私が見た中でこの日が1番声が響いていて、マイクにエコーかけてんの?って一瞬疑っちゃった。声が、声がすごいんだけどとガン見してた双眼鏡外して2階席の前に広がる空間を見てしまった。スピーカーの位置とか席の関係かもしれないけど、太くて厚くて、あの会場に響き渡って会場が共鳴で震えるような、そんな風に感じる声でした。

ミュージカル畑の人に比べると彼は歌い方もダンスも多分ちょっと違っている。けど私はそこがかえって素晴らしいと見てました。役柄にも合ってる。少し異質。あの巨大カンパニーのビルの窓の外から中を覗き見してた別の世界の住民。

独特の甘い声、ミュージカルの歌い方に染まりきっていないその歌。はつらつと、かつ体に沿わせる手に僅かにタメが入る独特の色気を放つダンス。ここ1年の間に演じた2つのドラマ2つの役の経験の深みもあるのかな。ジャニーズの増田貴久が演るミュージカルだというその立ち位置のまま聴衆を納得させるんすよ。かっこよー。

アンコール登場、少し顎あげて、両手ぽっけに引っ掛けて、気持ち左向きに構えて立ち、拍手浴びてから両手広げ、膝を曲げ、煽る。

誇らしげに会長となったフィンチの佇まいそのままにアンコールに応える。

この日はどうしても、いつも以上に拍手で沢山讃えたい観客が、いつも以上に大きくいつまでも拍手を送ったため、フィンチ会長の分散退社アナウンスとその次の会場スタッフのアナウンスが流れたけど途中で止まってアンコールに答えてくれた。

でも、絶対言葉は発しないのね(笑)。

キラキラとさらに輝く彼の目に満席のお客さんが見えてる。歌もダンスも演技も楽しくて、もっともっとと没頭して磨いてきた、2021年12月の、増田くんの、一つの区切りの、仕事をやり遂げた、目に映る、私たちの拍手。

彼がどれだけ愛情深く繊細な感性を持っていてそして板の上が大好きか。きっとそこに到達するまでのあらゆる努力を努力とも思わず邁進してさ。きっとね、おそらくね。

そこに到達するにはどうしても観客の力は必要で、それであの、誰よりも頭を下げる深々とした長いお辞儀。そんなにしなくていいよ。そんなに感謝しなくていい。私達が見たくて来てるんだよ。君が素晴らしいから。そんなに長く頭を下げられると胸がいっぱいになっちゃうんよ。

東京公演完走おめでとう。楽しい時間をありがとう。

 

私的な、ここを見ていました話とか作品全体についてもなにか書いておきたいのでまた何かしら更新したい。年内に…(おそい)。