外部記憶装置

増田貴久くんについていろいろ考えたり思ったり忘れたくなかったりすることを書いておくとこです。

ハウ・トゥー・サクシード(2021年版) 11月20日

再演おめでとう!

 

って感想を書いたまま1週間以上寝かせてしまった…。はやくアップしないと東京公演が終わってしまう\('ω')/

 

初日に入らせていただいてました。その日の感想をなるはやでと思ったけど…かけなかった。あの日の感情をうまいこと言葉にできない。でも書かないよりましだからこれでアップしときます。←いつもこれ

去年は初日には入れなかったの、多少は悔しかったです。私もあの人がミュージカルの主演でどんな状態でステージに立つのか見たかったヨそりゃ。でも全員見たいじゃんね全員の希望は叶えられるわけないじゃん。いいの。チケ運なんかぜんぜんないしね。別に入れる入れないと愛の重さは違うのだよ!(なんでそんな話にするの俺)

今年の運が良かったわけではありません運が良かったのはフォロワさんです。私はご相伴に預からせていただきました的な立場でございます。ありがたい…。ほんとうにありがとうございました。

しかもあなたこれが。めちゃくちゃステージに近いお席で…びっくりしました…びっくりした……圧がすごい圧が…。もうこのまま記憶をどこかに残したいのだがそういう技術開発はまだなのか。目にカメラ仕込みたい。記憶を念写したい。

とても近い場所に10年超見続けた男がいて、なかなか脳内大混乱と興奮、現実と思えず、夢のような…かなりの迫力なのにあまりにもビジュアルが磨かれてる為か、まるで大きい高画質スクリーンをただ間近で見てるみたいでした。

いや、流石に10年ちょっと追ってるとチケ運って何?運ってなに?の私でも数度ぐらいは近くで彼のパフォーマンスを見る機会、ありましたよ。その時はもう少し生生しかった気がして。今の増田貴久、これまでで1番洗練されてますね。

 

増田くんは今年の雑誌等のインタビューでこの作品のことを「風刺」と言っております。去年は一切言っておりませんでした。彼の中で何かが変わってます。台本を読み直すと去年とはまた違う気づきがあったんでしょう。なぜ? 1年の間に積んだ人生&仕事の経験なのか、はたまた演出家さんと沢山お話することが出来たからなのか。きっと、彼の中の、作品と役への解像度が上がったんだと想像しました。だからどんな風にとらえて演じるのか楽しみだったんです。

 

で、やはり、去年のフィンチと違っていたの。

去年は、明るく天然で、天性の朗らかさと子どものような無邪気ないたずらっ子のあざとさで出世街道を駆け上がっていくフィンチ。

今年は、明るいし朗らかであざといけど、子どものような無邪気はなく計算してそう見せてる。そんな佇まい。同じセリフでも笑顔オブラートの下に有利に進むように事を操作しているフィンチが感じられて。なにかどこか微かに含むところがある、あっけらかんと明るいのは表面。相手を見て、出方を変え、表情を変える。

小狡いバドをキッと挑戦的に見ながら舞台袖に去る一瞬のフィンチの目。バドといるときだけ、フィンチは営業しなくなるんだよね、声のトーンが少し低くなり、手はポケットにひっかけ、話す速度は少し落ちる。

あいかわらず憎めないひまわりのような笑顔だけど、去年より男っぽく去年より大人。去年より狡猾。去年と役の解釈の違いをいつか本人から聞きたい。

それともローズマリーが初演と違ってキュートであっけらかんと明るい、猛目的にフィンチに惚れている娘だから、その対比なんでしょうか。去年のローズマリーはお姉さんで現実的でもっと冷静だった。キャストが変わるのも面白いですね。セリフは同じなのに演者の個性でまた違うものが見える。

バドはよりいっそう甘えっ子で面白くなっておりました。あいかわらず目が離せないバド。バド面白いなぁ!って確か幕間でツイートしたわ。バドあんなにくねくねして笑わせてくるのに歌とダンスはじめるとただのイケメンになるのは役柄的にはどういう…?って割と戸惑う。

演出家が来日できたことの効果なのかダンスが変わったところがあり、キャストが変わったことでの化学変化があり、つい去年みた作品なのに大変に新鮮だったし、それにやはり感染状況が落ち着いていることからくる安堵感は、演者にも、私達にもあったのではないかな。より楽しく面白く笑いがつい漏れて、ああこれ、コメディミュージカルなんだと実感。

ローズマリーへの恋に気がつくところから一層バカップル度が強くなってるし躍動感もとんでもなく、軽々と社長の机に飛び乗るわ、同じ人間とは思えないその筋力でくるくると舞台を駆け回りキラキラでキレキレ。ソファの肘掛けに45度ぐらいのナナメ角度でもたれかかり(もたれかかってはいないんだが)愛の歌を歌うんだけど、その体幹に力はいってる状態で優しくきれいに歌えるもんなんすか?

その歌はまたまた進化していて声が深いわ太いわ。なにその声。そんな声で毎日お稽古してたらそりゃ「未来へ」のテレビでの歌唱はああなりますわ。あれでも抑えてたでしょう? 伸びしろの終わりが見えない人だね。無限伸びしろなのか?

フィンチが蹴落とされた後。前の仕事に戻るよ、前の仕事って?屋外装飾といったあと、まただと自分を叱咤、窓拭きだったって告白する。まただ。フィンチは嘘は言わないけど誇張はする、良いように言い換え、誤解されるがままにする。そういう操作を自然としてしまう人間だけど、あそこで1回、そのままの自分になろうとする。それを受けたローズマリーは、このままフィンチと結婚したらニューロシェル住まいの主婦にはなれないけれどその夢よりも、フィンチを選ぶ。地に足がついていないバカップルがここで現実と向きあう。この2人の演技がとてもよかったなー。声を震わせながら「信じてるわ」。

…からの、またチャンスが巡ってきて(「きらーん☆」の笑顔)それをしっかり掴んで結局同じように出世街道に戻るフィンチだけど、もしかして1回現実的になれたことでこの先フィンチとローズマリーは変わるのかな。なんて想像を、ちょっとだけしてしまった。

そう考えてしまうくらいフィンチに深みが加わってたと私は思いました。去年のかわいいフィンチも好きだけど今年のフィンチはもっといいぞ。

 

この日みたことで書いておきたい、忘れたくないことといえば。

上に書いた、バドの方を苦々しく一瞥する目はきっと忘れない。

アナグマのときヘッドギアがちょっとナナメになっちゃってた。

洗面所のシーンで自分を睨めつけるというよりは少し客観的に見てるような冷静な目の男だったな。少し顎をあげて髭を剃る仕草のときかなぁ、舌の先を上唇か上の歯かそのあたりに当てた不敵な表情。brotherhood of manではくるんと回転するとき途中マイクが外れちゃって直しながらでも結局直しきらずに前をむいて明るく元気に歌って踊ってた。brotherhood of manの最後かな…耳が真っ赤になってて、そうとう激しいからなのか感極まってるのか。

ライトに当たってアッシュブロンドに見える美しい髪。

卵1コよりオムレツ全体!のとこ、オムレツが先にきちゃってオムレツ1つより卵1つよりオムレツ全体!て、ん?って言い切ってるのも言い切れば内容なくとも相手が納得しちゃう話術のフィンチぽくて良かったですw(この言い間違い初日よね?)

あの目に満員の観客が見えているのかと思うと嬉しい。ほんとうに再演できてよかったよ。思わず笑い声が盛れちゃう程度には少し日常が戻ってきたそんな日に再演できてよかった。

みなさん元気でラストまでどうぞ元気に突っ走れますように。

 

以上です!…。あと1つか2つは感想をあげる予定だからな、やれよちゃんと>自分へ