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外部記憶装置

増田貴久くんについていろいろ考えたり思ったり忘れたくなかったりすることを書いておくとこです。

フレンド 10月19日 東京楽

多分いましか書けないこと、書いておきたい事を思い出した順で。本当はもっと置いてから書いた方がいいのかも、とも考えましたが、もしかすると置いてしまうと書けなくなってしまうかもしれなく。悩みながら上げます。

 

激しい中也。最初から激しかった。遠藤要さん終始力の入った演技、演技者として一歩きもち下がった方が良いのではと心配になるほどの入り方だった。これで最後だからという勢いか、中也が降りてきたのだろうか。声の張りが違う。ところどころセリフが飛んだ。彼の脳内で何が起こってるのか。

最初に観た時も思っていたのだけれど最後に観たのも同じ印象になった。遠藤要の迫力が凄い前半、それをそっと見守る喜弘の強さが中也と別れの後に明確に現れそこから最後まで突っ走る。2人の主役。前半の主役と後半の主役。 

染谷に「殴るなら殴れ!!!」と言われ、殴りたいが殴れず、頭に血がのぼって、顔に血がついた中也。多分鼻血だ。どこか切るような場面はなかった。あれは、どうするんだ、拭くのか? 演技はそのまま続く。喜さんなにかいうかな、って思ったけど言わなかった。喜さんの落ち着きに、もしかして鼻血出すのは中さんよくあることなのかも…という妙な説得力。場面かわって次に出てきた時には中さん鼻血なかったのだけど、今読んだ横内さんのブログによるとhttp://www.tobiraza.co.jp/blog/entry-875.html 止まった訳ではなかったようだ。

増田君の演技は、要さんの演技のように激しさには出ない(役柄的に)のだけどセリフの抑揚とか、なにかもっとずっとさらに、深く深く「喜さん」だった。小林さんが中也の詩を全部読んでいたと喜んで報告するセリフはもう少しかわいらしかったのだけれど、この日はちょっと大人だった。

はじめて観た時に圧倒され、何度も何度もここに書いた、我が祈りを喜さんが歌う場面でも、ちょっと大人だった。言い終わった後に少し上を見る凛然とした横顔がすばらしく美しかった。

ずっとずっと友達ですの場面でさらに凛とした喜弘が現れる。ここも私が観た中でこの日が一番激しい演技。心と心のぶつかり合いを求める、むき出しの中也を浴びる喜さん。暴れる中也を抑えるていちゃんの「お祝いをいってやってくれよ!」の叫びが耳に残る。殴れ!と詰め寄る中也に引かず、前へ出て、嫌がる暴れる手首を渾身の力で掴み、中也を力と意思で制して胸の前に持って来て、ずっとずっと友達だと言う、喜さんの秘めていた強さ。違う舟に乗って漕ぎ出すと。あなたの歌を支えに。優しくて強くて強くて揺るぎない喜さん。

舞台下手で号泣する秋子、舞台中央上手で喚く中也、中央下手で決して乱れず、乱れないように堪え、両足でしっかり立ち、自分の決めた道をはっきり宣言する、この対比。

空襲。 「のたうちまわって生きろ!」「はい…」擦れた、ちいさい声で返事をする喜さん。汚れちまった悲しみに、と声を張り上げる中原中也遠藤要。3階B席でこの場面の中也はほとんど見えず声だけだったけど。「中さん。中さん! 中さん!」懇願する切ない声が涙で擦れる。目が。表情が。友達だと言った時の声とも、死んでしまった中さんを呼ぶ泣きじゃくった声とも違う。 

秋子と再会。7日で周りを見渡していた演技は、この日は秋子の方を見てその後ほんの少し右に首をまわして、やはり茫然と、茫然とというより、絶望と衝撃と、か。何故あんな表情が出来る。彼の目の前にはかわってしまった町並みであったものが見えている。それを見てからの、一番近くにいる大事な命が何かをしていることに気がつく。ほんの数秒のこの演技。

 

これを書いていてストレンジ・フルーツで、ナイフを拾い、その刃に見入り、ふと現実に戻って来る千葉の表情を思い出した。このひとは目の演技が群を抜いてる。その目の光で表情がすっと変る。贔屓目だとかそういう事ではないと思う。私はこのひとの演技している、表現しているものが好きで、それぞれの場面で魅かれて今ここまで追いかけてきたから。あのCMで演技してるあの子は誰だと思っていた時、家で流れる曲でここを歌っているのは誰だと聞いた時、このダンス上手いコは誰だと言った時。いつも私は彼の名は知らなかった。でも同じ人だった。

 

泣きじゃくる秋ちゃんを抱きしめ、抱きしめながら、喜さんの嗚咽。暗転後も聴こえるその息のおと。暗転中に拍手が起こった。私の意識より拍手が起こるのがはやくて、はっとした。

 

カーテンコール。

2回目、右手で右を、左手で左の涙を拭きながら舞台に戻って来る座長、出演者紹介。少し笑顔で、声を張って。役者名だったり役名だったり。みんな晴れやかな、寂しそうな、達成感と寂寥感と、終わってしまったこととやりきったことと。

最後の1人、ほんのひと呼吸おいて「遠藤要!」。その要さんが意を決するように(要さんはずっと中也を引きずる)「増田貴久!」

 

回を重ねる毎に、秋ちゃんが泣きまくり、中さんがボロボロになっていく中、つとめて平常心で居ようとしているような喜さん。カーテンコールで本人たちに戻っている筈なのにその関係性がそのまま持続しているかのようで。要さんはこの舞台の影響で明日から大丈夫だろうかと思うほど。この千秋楽が今までで一番激しく。

さっきまでの演技で消耗しているであろうに無理矢理スイッチ入れて切り替えて場に立つ凛々しい座長。自分に戻ったのか戻ってないのかの要さんの表情。他出演者の皆さんも今までにないアドリブ入れてきたり演ずるよりそのものになってしまったような演技で素晴らしい最終日。

ほんとは他のキャストについても書いておきたいけどここはまぁ増田君のことを書くところだから。

いつも想像をはるか超えた仕事をしてくる増田貴久のポテンシャルに、いつも以上に圧倒された、「フレンド 〜今夜此処での一と殷盛り〜」でした。

素晴らしかった。嬉しいです。嬉しいよ!これからも本当に楽しみです。

 

最後に。この公演のチケット譲ってくださった方に深く感謝しております。ありがとうございました。