外部記憶装置

増田貴久くんについていろいろ考えたり思ったり忘れたくなかったりすることを書いておくとこです。

ストレンジ・フルーツ 忘れないために

先週仕事で移動しながら、はやく見た事を書き記しておかないと忘れてしまう、忘れないためにとにかく書かないと、って思っていたのね。ストレンジ・フルーツで見た事を忘れたくない…そう思ったとき

カナは忘れられたくない、千葉くんは忘れたくない。その思いから決意してしまったんだ…

って蘇ってきてワーーーーッってなりました。

フライヤーのコピー

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これもフライヤー。英語だとこういう風に書いてある。

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やたら回数入った割に千葉を背中から見る上手側が多くて表情が見えない事が多かったけど、ひとつひとつを思い出しながら、私の見た事、思った事、ここを注目していました、というところなど。

・複数箇所、カナが彼を写真にとった後の表情。「笑って!」と言われた後など… 
・久良間がカナを褒める時の千葉の目の動き、僅かな表情の変化、態度。
・「○○だから、さぁ」「さぁ」の台詞のニュアンス。


・学校のチャイムが鳴り客電消える前に上手からMac持って走って千葉が登場。緊張している背中。
・自分がスタートさせた画像を追って追って最後に改めてカナを見たときの少し擦れた叫び声。

映像:キャスト紹介のオープニング映像のスクリーン外部分、大道具(壁)にプロジェクションマッピング、窓枠に添った音の波形。

・ふらふら奥から出てきて台詞はくまでの呼吸
・1人1人を問いただす千葉、確か東京楽はモリシタに対して怒鳴らず静かに台詞を放っていた、暗く凄みのある声と目線。
・目を見開いてお前らとオレは違う、お前らは一般人だと線引きする、自分はアーティストだと叫ぶ、千葉の中の見えない傷。
・台詞を口から出す前に言葉が彼の体の中で変換され増田貴久から千葉の言葉として声として出てくるイメージ。
・劇中何度も自分をアーティストだと痛々しく宣言し続ける。
・久良間が登場すると激昂していた千葉が棺の向こうに座り込む。時折震えている、肩。
・最終選考に残った者として名前を呼ばれゆらりと立ち上がる動き。
・ジェラルミンケースが投げ出され大きな音を立ててもぴくりとも動かない。
・黒く冷たいジャケット姿。
・このチャプターでの千葉の動きはゆらりふらりとしていて他のシーンとは違う。
・寝ていないか、食べていないか。
・一億貰った後、どやされ、突き飛ばされかけるところから台詞吐くまでの雰囲気。
・覚悟を決めて見ろと棺をあけさせる。カメラを覗き「カナ…」絞り出すように呼ぶ(東京楽)
・「…きれい」   棺の中に花が見える(1階席からは見えない)
・「カット!」「オゥケィ…」意を決したような声の意味はその後にならないと解らない。

映像:廊下でナイフを持つ千葉 カットされるザクロ 2人しかいない教室

・机のMacに向かっているとき、額の汗を左手でぬぐい、その左手を右の脇腹で拭う「増田くん」の癖
・「モリシタも、なぁ、頑張ってる」
・「消えた」「データ」暗く、冷たく。「僕らの作品はありません。」ハリーと一緒に作る気なんか、ない。
・「アトリエのデスクトップのマシンで作ってて」少し言いづらそうに片目細めアトリエがある場所を見ながら
・「停電で。ぽんと」「ハードディクパンパンなんだよ、どうしたらいいのかなぁ?」とことんバカにして。
・オマエはなにもやってない。やるのはオレだ。見せつける。

・「木に咲いてるの?服が」「中途半端だねぇ」「オレは頑張ったっていっただけ。これは中途半端だろ」
・「蘇生なんだろ、着せろよ、実際に」「着せてから吊るせよ」
・「イメージしただろ」「誰をイメージした?」「誰に嫉妬してる?誰を殺したい?誰を吊るしたい?」畳みかける。
・「わかりやすいんだよ」
・「自分の作品を見せるということは! 他人に暴かれるということなんだよ全部!」
・「甘いんだよ!」この、あまいんだよ、の言い方のニュアンスが文では伝わらない。
・1人1人を言葉で、態度で叩きのめす千葉。

・クロスロード。一番好きなシーン。オレは悪魔だよ、という態度。
・壁に映された悪魔の手がクロスロードの千葉を掴むようなアニメーション。千葉の表情!
・東京楽でのハリーとのナイフシーンの迫力は忘れたくない。
・嘲笑、挑発。

・サンドイッチがまだ口に残っている時に台詞、これは東京公演後半から。
・食べながら喋る、モリシタを下に見ている。見え見えの態度。

・関係を切り捨てたつもりのハリーからの、メッセージに戸惑い。
・「おれが?」と以前の千葉が僅かに戻る。
・「今の俺ならなんでもできる」

映像:秋。赤い紅葉(CG)の散る向こうの、なにか諦めたように切ない表情の千葉。

・悪いひと/良いひと が半々。なりきれない、揺れる、感情が行き来する。
・カナの写真には、感情が映る。自分の中を暴かれるのを恐れ怒り出す美晴…千葉、言葉数少ない。
・美晴の事故、慌てる千葉、1度、ふりかえってカナを見る…。
・バケツに水を溜めながらモリシタの言葉を聴き、千葉の中に怒りが溜まる。
・一回溜息つくような感じ。
・水を止める「オマエさぁ、おかあさん大好きだろ」
・洗濯なんかやってる場合かよ、という感情、千葉が具体的な言葉でモリシタに向かう。
・(チャプター冒頭、なんでそんなことさせてるの、って言っていたのはハリー)
・「情も人も!全部断ち切らないと!ほんもののアートなんて出来ない!」
・千葉が放つ言葉は全部千葉に返ってくる。

・美晴とアキオさん。彼らの出来事を千葉は咀嚼できない。
・それほどの価値が美晴にあるのかと問う千葉、あるという。アキオさん強い。千葉は、理解できない。
・理解できない、訳がわからない、なんでそんなことになってんの、は? そういう千葉。

映像:「それは2人でつくる」

・定点カメラの説明。「ですます」口調、メンバーに対してよそよそしく丁寧な物腰。
・犬飼の音楽を「いいね、いいと思う」。犬飼との戯れ合い。
・招集アーティスト全員が揃う唯一のシーン。無邪気なカナ。千葉は、控えめで少し寡黙な人。
・「先生」に問いただされ犬飼を否定する。否定した言葉で千葉自身にダメージ。
・犬飼とカナの言い争い。舞台にうずくまる千葉に台詞はない。2人の言葉が千葉に刺さる。
・悪魔という言葉、悪い人になるという言葉の伏線。
・犬飼退場後「おれだろ?」犬飼に言った台詞は全部自分に言っている事と聴いているんだよ千葉は。

映像:「私の指はただこのどうしようもない幸福を覚えていたいだけ」はにかんだ千葉のポラロイド写真

・木の根の上に置かれたナイフに近づき、躊躇し、横に座り、手を伸ばす。
・ナイフの刃をカタンと出すと千葉の顔にナイフの青い光が反射する。
・千葉の目が、ナイフの美しさと鋭さに見入る。
・目が、まわりの全てを忘れている…そこにカナ登場。
・焦点がナイフから反れ(何も見ていない)背後にカナを感じている。
・立ち上がりつつ彼女に見られないようにしまい込み最初の台詞を吐くまで。
・僅かに正気を失っているようなナイフに見入る目からその表情が「ようちゃん」に戻るまでの経過。
・このひと天才じゃないのかと思う瞬間。

・自分から離れる千葉を撮影したカナ「まだ私のこと好きなんじゃん!」って言われた時のウザそうな態度。
・突き放す、懇願する、冷たくして、優しくして、心配し、嘘ついて嘘がバレて。感情が揺れ動く様。
・カナの頭を抱く左手、離れるときの、左手がカナの肩、腕から手を辿り少し折り畳んだ指のまま名残おしそうに最後の接触部分をふっと離す。

彼の演技について、ここは改善してほしいと思うところが無いわけじゃぁないんですが(ほんの一部分ある)、ここまで細かく、千葉というキャラクターを咀嚼しきって出してくる表現を見せられた後には、そんな私の気になる箇所など枝葉であり、彼はそのうちその、多分欠点であるその癖のようなものも、いずれ消化するかプラスに変えるかするんだろって思いました。

この人の頭の良さ、感覚の鋭さ、想像力をして、非常に難しい千葉を、おそらく脚本以上の魅力を加えて演じ切ったと思ってます。演じる上でディスカッションを重ねたという事ですが、どこまで深く読み込んで感じて自分の中から出してきたのか。なければどこかから探してきて、表現した。
このファンタジーをリアルにした「千葉くん」の心でした。