外部記憶装置

増田貴久くんについていろいろ考えたり思ったり忘れたくなかったりすることを書いておくとこです。

FOREVER MINE

他人の歌を、しかもあんなに大御所の歌を、アレンジしなおすこともなく(それはそれで出来ないとは思うが)完全に同じオケで歌うのは難しい事だなと思った。
 
CDに録音されたまっすーのFOREVER MINEは、達郎さんへのリスペクト、その世界を壊さないように、絵でいうところの模写をしつつ、自分の絵の具で塗り直したような歌だったな。まっすーのFOREVER MINEは水彩画のよう。明るく柔らかでいま描かれたようなみずみずしさと発色、塗りを残すことで出る光。元の達郎さんは、もっと濃度がある。もっと重い。この歌自体は、濃く、重い。2人の閉じられた世界、愛でがんじがらめ。外を遮断するように堕ちていく。まっすーの歌は、愛に殉死しなそうな歌だった。まだどうにかなるかもしれない、生きる方法を模索するような。何か手段があるよきっと、って言いそうな、若々しくて瑞々しくて優しかった。
 
で。コンサートではどう歌うのかなと思った。ずっと好きで歌っていた曲だという話だけど、おそらく彼の中にいろいろな引き出しがあって、いろいろな歌い方をしてきたんであろうと思うんだよね。達郎さんが「完コピ」といったNEVERLANDに収録された歌とは、やはり違ってくるんじゃないかなーと思ってた。
 
私がはじめて生で聴いたのは福岡初日、アリーナ席ででした。とても楽しみにしていたのに、正直にいうと、あれ?って感じでした。エコーがかかりすぎていて彼の声自体が聞きづらかったというのが一番。耳たぶの後ろに手をあてて集音するとちょうど良かった。◯◯では「(湿度で)音がボワボワしてた」と書いていたので彼自身も調整したときと音が違ったって思ったのかもしれないなー。そんなにエコー利かせないでも彼そのもの倍音込みみたいな素敵な声をストレートに聴きたかったなぁと思った。それと、「さぁ」のところ、マイクから体を離しすぎや、まっすー。マイクから体を完全に引かせていた。そんなに離すことないぞ、声がマイクに入らなくなってるぞって思って見てた。そういうことが気になって、うーん‥なるほど、って思った初日でした。
まっすーって1人で歌だけで人前で歌う経験って、いままであった? まっすーにとってこれって挑戦なんだなーって。
まだ自分のために作られた自分の歌なら違っていたんだろうけども、カヴァーである難しさだよね。しかも、そのまんまの。そのまんまなのに自分なりの歌に仕上げなきゃならない。オケも借り物で、生音ではなく。 
や、彼なら出来るんだけど。出来るけど、今ではない。まだ途中だ。というかんじ。
 
なるほど。難しいんだなと。
 
で、まぁ、この翌日の福岡公演は、私の席が違ったからなのか(バクステスタンド。音バランスは一番いいのでは?)音の調整がちがったのか湿度が違ったからか、ぜんぜん聴きやすかったです。でもマイクを離す癖(?)はそのままで、やっぱそこが気になった。これ、修正すんのかな?まっすー。というのが福岡での感想。
 
んで。修正してくるんですわ。歌も自分そのものになって、声がさらに響くように深くなって、どんどんよくなる。どんどんよくなるんだよ。マイクから体を離す「さぁ」のところは、マイクからの距離が短くなっていって、いいかんじに音量を調整できてたよね。
 
歌い終わった後センステ移動で「FOREVER MINE」って呟くのはいつからやらなくなった? あれをやらなくなるっていうのも、歌が達郎さんのものから彼のものになったってことなのかなぁ。なんてね。思ったりしてね。(←こじつけに近いので真に受けないでね!)
 
アリーナは福岡、仙台、静岡、大阪、名古屋、と入らせていただいて(福岡と大阪以外は1公演ずつです)名古屋が一番泣けました。ま、だいたい泣いてたんだけども(笑)名古屋では鼻すするぐらい号泣で自分こわいわ‥って思ってたー。すばらしく美しかったです、優しくて包まれるようで。
 
私的初日の福岡で「ん?」てなったものの、その後の公演では全て、私は自分を叱咤しながら聞いてました。目を瞑るな!って。歌に浸ってしまって目をつぶってしまいそうになる。実際つぶったりして。いやいや開けようよまっすーが生で歌ってるのにおまえ、って自分につっこんで。目をあけてても耳に集中してて彼がどういう様子だったかなんてほとんど見てても見てないみたいな。マイクスタンドの手がセクシーといってる方を複数お見かけしましたけども、マイクスタンドの手なんてまったく記憶にない。
 
マイクスタンドの手をみられるようになったのはようやくドームで、でした。
 
ドームでは、空気の粒子に入り込んだような増田くんの美声。その粒で埋め尽くされているドームの空間、彼の愛溢れる声に包まれて空気が美しかった。ドームの内部に満ちる彼の声、福岡初日ではエコーかかりすぎじゃ?って思ったそのエコーが完璧。
(音については席によるかもしれないので私がいた席でそう感じました以上のものではないのですがね。)
 
ドーム初日の感想
FOREVER MINEほんと素晴らしいの。美しく、年相応で、(CD音源はもっと若い感じがする。歌い方のイメージね)、優しくて。何に感動してるのかわからないまま泣けてしまう。深く揺さぶられる。 高い声を音にアテる時、左手の人差し指で上を示す仕草をしてた。

これはオーラスの感想‥この時の気持ちをいまここで書いたわけですが。

FOREVER MINEは絶品でした。私が最初に聴いた福岡初日とぜんぜんちがう。あとでまとめて気持ちを書いておきたいんだけど、彼にとって1人だけでただ歌うという経験が不足しているんだって気づいてちょっとした衝撃があったの。でも彼は自分でわかってて確実に修正してくるんだわ‥。
◯◯で「自分を変えてくれた歌」とあって、それがどういうエピソードなのかは彼は語ってくれてないですが、また、彼を変えてくれた歌になったのかなぁ?
誰かに合わせる事、バランスをとる事、そういう仕事が多かっただろう彼のステージ上の経験のなかで、1人で歌だけで真っ向勝負することの意味と意義を十分に感じるNEVERLAND、増田貴久のソロでした。
 
すばらしかったです。最高でした。素敵な歌をありがとう。もっと歌う場を彼に与えたい、と強く思いました。