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外部記憶装置

増田貴久くんについていろいろ考えたり思ったり忘れたくなかったりすることを書いておくとこです。

フレンド ここまでの雑感と断片と

フレンド —今夜此処での一と殷盛り—

ここまでで記憶している断片と思った事。

  • ザルツブルグの小枝 スタンダールの恋愛論を語る中さんの場の支配力・説得力。
  • 「英語が教えられないんだ」しかたなく文学を教えようとするが、テキストは「誰が作ったのかしらないが」酷い文章だという。ねえ、いまの東京、今日の車内吊り広告も酷かったよ、喜さん。
  • "煽るだけ煽って中身がない""責任を取らない""空虚な言葉" ねえ小林さん、いっぱい見るよ、今、そういうの。いっぱい。
  • 中原中也の言葉の深さ。詩というのは口に出されてこそなのかな。うちのコが昔保育園で谷川俊太郎の「めのまどあけろ」を皆と楽しそうに暗唱していた。暗唱などという意識はなく歌のように覚えていた。喜さんが詩を口にするとき、そういう風な無邪気さと、詩をうたうのが楽しい楽しいという気持ちが伝わってくる。
  • 中さんは、自分の心だから。絞り出すように。
  • 遠藤要中原中也は原っぱで威張ってるヤンチャ坊主の風情があり、大きいからだなのに子どものようにキュート。
  • 喜さんが詩を口にするとき、お空から太陽の光が降りて来てあたたかい陽だまりができる。
  • 中さん、相手をねじ伏せるような力強さで「我が祈り 小林秀雄に! 神よ!神よ 私は俗人の奸策ともない奸策が いかに細き糸目もて編みなされるかを 知つてをります!」叫ぶように。
  • 喜さん「しかし噫!やがてお恵みが下ります時には、やさしくうつくしい夜の歌と 櫂歌とを うたはうと思つてをります」と歌う、愛おしそうに。最初見た時に打ちのめされたのはここ。ことばひとつひとつ、慈しんで発音する。
  • 増田貴久の安原喜弘から感じる実直で強くて強さ故の限りない優しさ。
  • 喜さんが中也と対する時は、影になり日なたになる後輩かつひたすら心優しい友。
  • 中さんはきっと喜さんが自分の詩を朗読するのが好きであったろうなぁと。嬉しいだろうなぁ。誰が否定しても彼だけは支えてくれる。頼もしい友であったろうなぁ。庇護者であり共に歩く男が傍から居なくなってしまう喪失。でもね中さん、喜さんも辛いんだ。「殴れ!」人とぶつかることでしか人と付き合えないのかな。中さんの方を向く喜さんの目に辛さ哀しさ切なさいっぱい入っててさ。
  • あきちゃんは中さんのこと大っ嫌いっていってるけど、中さんはあきちゃんのこと結構好きだよね。中さんはひとと言い合いしたいんだもの、それがたのしいんだもんね、好敵手ってかんじで。喜さんめぐっての好敵手でもあるのだけど。
  • 赤い水玉ネクタイと背広姿で登場の後、舞台下手で誰かに「みずたまだね?」ってちっちゃい声で言われてた。言われてニッコリしてる喜さん。29日のアドリブ。ていちゃんかなぁ?
  • 三郎さん、パンフには「世相に詳しいが、深い事は考えない庶民のおじさん」。嗚呼。「昔はそれでもまともな歴史を語っていた」のに「でたらめ」を言うようになってしまう。でたらめ、妄想だ。ねえ。いっぱいいるんだよ、こういうひと。世間を世相を体言する三郎さん。三郎さんの変転が痛々しいけど彼が一番現実の社会を表していて辛い。三郎さんになるのは、容易いんだ。
  • 長谷川泰子。本を読んでもよくわからない、多分普通の女なんだろうなと思っていた。女優志望だから美人さんだ。この舞台ではあきちゃんのお姉さんのような役どころで、魅力的だった。15のときに中也と同棲したと告白するけれど、それは、合宿のようだった、と。楽しかった日々を振り返って語る姐さん。あきちゃんがフレンドのおじさんたちの娘になると答えた時、舞台中央で泰子はあきちゃんたちに背中を向けて目立たないよう邪魔しないよう少し肩を振るわせそっと涙をおさえるような…いい姐さん。外で立ち聞きしてる喜さんが号泣するんだけどね。
  • 中さんは自分で手いっぱいで自分のことで泣き叫ぶけど、喜さんは他人のことでたくさん泣く。激しく号泣し嗚咽する優しいひと。
  • 「らーらーらーだ!」
  • 自分を持て余す中原中也が辛そうで。
  • 「幼年時 私の上に降る雪は 真綿のようでありました 少年時 私の上に降る雪は 霙のようでありました」生い立ちの歌。好き。これをセリフとして聞いたとき、アッ、って。アッ、使ったって。
  • 魂で繋がっていた中さんと喜さん。中さんはあっというまに逝ってしまったけれど、喜さんがその生を全うした後は一緒に肩組んで語り合っていますかね。劇中の大岡は「大岡昇平」ではないし喜さんの結婚はこうではなかったろうしそもそもフレンドは架空だし、現実をベースにした暖かい創作だけれどさ。